福留さん引退

福留さんが今季限りでの引退を発表。
2013年にタイガースへ来てくれてから今でもずっと大好きな選手だ。
そう、正直言うと「来てくれてから」だった。
福留さんの中日時代には本当に何度も嫌な目に合わされたし、タイガース入団時には35歳。メジャーからNPBへ「出戻り」となる選手を手放しでは歓迎できなかったのだ。若い選手の出場機会が奪われるだろうというネガティブも大きかった。
でも、福留さん1年目の沖縄キャンプで私の中にあった拒否反応は早くも吹っ飛んだ。

番組インタビューでは、言いたいことをズバズバと言う。
全ての行動に根拠が伴わないと許されないし、常に自分をそういう高みの中に置いて行動される人なのだと感じた。
インタビューには良くも悪くも耳障りのよい受け答えをする選手たちの言葉を聞いてきた私には衝撃でもあり、こういう選手が必要だったのだと、獲得に至った球団の意図も理解し賛同もできた。
実際に、2020年にタイガースを去るまでの8年の間には、グラウンドやベンチで他の選手らにアドバイスをし、ときには厳しく指摘する姿も見てきたし、若手を気遣う優しい一面もあった。

2016年のマツダスタジアムで、俊介と中谷が交錯してサヨナラ負けしてしまう試合があった。
あのとき、動揺する中谷にずっと寄り添ってくれたのは福留さんだった。
『9回裏に見たもの』

福留さんがタイガースというチームに刻んだ功績は数知れないし、それらをひとつひとつ拾って何時間でも語りたいけれど、引退のニュースを聞いて真っ先に浮かんだのは、福留さんが3塁まで激走して3塁ベース上でゼエゼエ肩を揺らしている姿だ。
カッコ悪くなんかなくて、めちゃめちゃカッコよかった。
本当にキツかったと思う。
全力疾走で3塁まで向かう姿には拍手と歓声が送られ、球場中が沸いた。
ベテランにあの走塁が出来なくたって誰も文句言わない。けれど常に一つ二つ先に福留さんの目線はあって、野球への考えを自らのプレーでチームに叩き込んでくれたと思う。
「自分もああなりたい」と、自然と憧れる姿だった。

そして、洗練されたユーモアを持つ方だ。
ひとつ、私が宝物にしているエピソードを。

ある年の『熱血!タイガース党』のスタジオに遊びに行かせてもらったときの話。
ゲストは福留さんでした。

番組では、視聴者からの生電話で質問を受け付けて“福留サンタ”に答えてもらう、というコーナーがあったのですが、事前のリハーサルでは電話質問がないので仮の質問に福留さんに答えていただくことになっていました。
ディレクターさんたちが質問を用意したり、出演者の方が冗談交じりに質問して笑ったりとそんな感じです。
スタジオの隅っこで見ていたら当時の番組プロデューサーのUさんが「福留さんに質問」って聞いてくれたのですがそれはいつもUさんとやり取りする「お題」のようなものだと思い(真面目に考えもせず)日頃聞きたい野球でもなく「(福留さん出身の)鹿児島のおいしいものとか」と観光地で尋ねるようなことを口走ったところ、Uさんは福留さんへそのまま質問として届けてしまいました…ギャー!

こんな遊びの質問に福留さんは真面目にちょっと「んー」って考えられる様子だったので「やってもぉたああ」と逃げ出そうと思ったそのとき

「かすたどんっていうお菓子があるんですよ!好物です。実家に帰ると、関西に戻る前に必ず買って帰ります。蒸氣屋さんの!お土産にオススメ!」

…!!!!!!!!

実はこの日私が控室用の手土産に持参したのが、ほかでもない鹿児島銘菓の「かすたどん」でした。
なんとリハーサル前にスタッフさんたちに混ざって食べてくださっていたのです。
それだけで大感激してたのですが、さらにリハーサルでこんなふうに絡めて言ってもらえて、もう泣きそうでした。(Uさんにも感謝や…)

福留さんはとてもサービス精神旺盛な方で、周囲の方に喜ばれることが何かって常に考えててよく見てる。そしてそれをサラリと表現できる才能もある。
スターってこういう人のことを言うんだなって思う。
これからもずっと、だ。

〈9/9 DeNA 9-2 阪神(横浜)〉

勝:上茶谷
敗:藤浪

[今日のマルテ]

福留さんで日記いっぱいになったので今日はこのへんで。

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