22杯目「濱田屋」

アルコール研究所がある老舗酒屋

濱田屋は酒蔵の町「魚崎」の玄関口、阪神魚崎駅にある。今回、数年ぶりに訪ねた。現在の店主が四代目であるから創業百年は優に超えていると思われるが、店主の濱田栄司さんに聞いても正確なところはわからなかった。

濱田屋が震災前に扱っていた酒に、灘で最も小さい蔵である菊千歳があった。小さいながらも独特のうまい地酒の作り手だった。惜しいことに震災で全壊し再建はならなかった。

震災を機に、濱田屋の主力の酒は大黒正宗になった。濃い目の酒ではあるが、蔵元が大量生産から手造り少量生産に転換して造っている酒で、とてもおいしい。濱田屋では大黒正宗を始め、泉酒造、灘千代田蔵、神戸酒心館、浜福鶴など灘の酒を中心に、もちろんワインも豊富に扱っている。

濱田屋の一角に、近くの常連さんによく知られた濱田アルコール研究所と名づけられた別室がある。しかもこちらのコーナーは喫煙可で、筆者も何度か利用させてもらった。濱田屋のうれしいところは、小売価格で購入した酒を店内でいただけるシステムを採っていること、もちろんボトルでもOK。

筆者らも生ビールとアテ(厚揚げ、サラダ)を買って濱田アルコール研究所に入った。この日は予約が入っているので束の間だけ利用させてもらった。

濱田アルコール研究所に入ると「濱田アルコール研究所 四規則」と書いた掟がある。
 曰く
 一、コップ食器類は返却棚(入口横)に返却すべし
 二、研究終了後はきれいにかたづけて帰るべし
 三、大声、奇声は慎み、静かに研究すべし
 四、喧嘩したる者百年間出入りを禁ず
この規則は、すべての立ち飲みの店に共通するものである。

予約客が来店されたので、濱田アルコール研究所の西棟の一部を模様替えした”みみずくホール”に移動することにした。こちらは丸いテーブルと矩形のテーブルに加え椅子が入っており、しかも禁煙だ。よって基本は座って飲むコミュニティーサロンのようなものだろうか。

かつて濱田さんに聞いたことがある。「最近はグループで1本買いをして研究される方も多いので、このような形にしました。またグループ研究の予約も受け付けます。月水金は魚をメインに、火木は焼き鳥をメインに研究できます」と濱田さん。
「大吟醸や高価なワインも割り勘で研究すれば安く上がりますし、種類も楽しめます。ワイングラスもテイスティングに適したものに変更、希望があれば、さらに良いワイングラスをレンタルする事を検討しています」と付け加えた。(現在、研究できるテーマ等が変更になっているかも知れないのでお店で確認願います。)

”みみずくホール”に移動したものの飲み物もアテも無くなっていたので、レジカウンターまで行き調達した。筆者は大黒正宗と酒蔵パン、カメラの福田さんも酒は大黒正宗、アテはジャガイモ、人参、肉を煮たもの(ひょっとして肉ジャガかも)、そして飛び入り参加してくれた友人は仙介のSHIROKOJIという日本酒と豪華な刺身だ。フルーティーな日本酒とともに、海外への輸出や女性ファンが増加しているのは喜ばしい。

ところでレジカウンターから”みみずくホール”までは距離があるので、グラスにぎりぎり酒を入れるとこぼす恐れがある。これは濱田屋に来る回数を増やして訓練するしかないなあ。

さて、この日もグループで来られたお客さんで、あっと言う間に”みみずくホール”が満席になった。はるばるやって来たのに満席だったら大変だ。そこはITに詳しい濱田さんのこと、スマホからアクセスできる”みみずくナビ”なるものを開発してインターネット上に設置した。空き状態の検索ができる優れものだ。濱田屋に来る際にはぜひ活用して欲しいが、電話で事前予約が手っ取り早いか。

酒屋を取り巻く環境が厳しい現在、何か取り組んでいることがあるのではないかと聞いてみた。
「酒ごとのキャッチコピーを考えて陳列棚に貼っています。試飲もできますので、購入の際の指針にしていただくといいですね。また酒蔵の方を招いての濱田屋シンポジウム開催や、利き酒講習会もやっています」とのこと。

最後にお客さんへの一言をお願いしたら「兵庫県にはおいしい酒がたくさんあります。それを知って飲んでもらいたくて、店をしています」と希望に満ちたメッセージが返ってきた。
濱田さんは随分前から飲酒主義共和国(会員制)を主宰し、花見大会やバーベキュー大会、音楽祭、忘年大会、もちつき大会などなど積極的に開催している。濱田屋に行けば、何か面白いことに出会うに違いない。

「濱田屋」
神戸市東灘区魚崎南町4丁目15-13
TEL078-441-1101
営業時間
10:00~21:00
祝日 13:00~19:00
定休日 日曜
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