全国でクマによる被害が相次ぐ中、豊岡市では21日、市町村の判断で猟銃を使いクマを駆除する「緊急銃猟」の訓練が兵庫県内で初めて行われました。
「緊急銃猟」訓練は、豊岡市がクマへの対応を確認するため実施したもので市の職員など約40人が参加しました。
「緊急銃猟」は全国でも被害が相次いでいることを受けて人の生活圏でクマなどが出没した際に市町村の判断で猟銃を発砲できる制度で2025年9月に新設されました。
実際に市街地で手順を確認する訓練は県内で初めてとなりました。
21日の訓練は豊岡市の公園の倉庫内にツキノワグマ1頭が居座った想定で実施。
倉庫には段ボールに本物の毛皮を被せた訓練用のクマが設置される中、職員たちは、熱を検知し暗闇でも居場所を把握できる「サーマルスコープ」やドローンを駆使しクマの位置を確認していました。
その後住民の避難誘導や交通規制などで周囲の安全を確保した上で、狩猟免許を持つ3人の職員が倉庫内へ。
クマに気付かれないよう模擬の猟銃で真上から狙いを定めるまでの手順を確認しました。
豊岡市 門間雄司市長
「人の生活圏にクマが出る危険性が高まっているので、今回の法改正を受けて、いざという時に市民の安心安全を守るために、やるべきことをやらなければいけない。市街地で銃を使うことの重みも含めて、訓練で確認できたことが大変有意義だった」
豊岡市では2025年4月から10月までにクマの目撃情報がおよそ110件確認されていて5月には、農作業をしていた70代の男性がツキノワグマに襲われけがをしたということで、参加者は万が一の事態に備えていました。
豊岡市は、来年度中に市内の集落に放置されたカキの木など、約170本の果樹を伐採しクマの出没対策も強化していくとしています。
