神戸市で11月15日、県の指定無形文化財「須磨琴」を継承する保存会の発足60周年を記念した演奏会が開かれました。
阪神淡路大震災から30年。
般若心経の読経による厳かな追悼法要で始まった演奏会。
「須磨琴」は、神戸・須磨を発祥とし、平安時代初期から伝わるとされる楽器で、1枚の板に張った1本の弦を指で押さえる位置を変えて音を奏でます。
1965年に発足した「一弦須磨琴保存会」は、須磨寺を中心に「須磨琴」の伝統的な技術と文化を次世代に伝えようと、地域のイベントや学校などで継承活動を続けています。
保存会発足60年を記念した15日の演奏会では、須磨琴の歴史や逸話を紹介しながら、「須磨」や「平家抄」など10曲を披露。
須磨寺 小池弘三貫主
「一本の弦にすべての音が集約されている。小さな音ですが集まると大きな音になっていく。ちょっとずつでも来た人にこういう楽器がありますよと、お知らせすることをやっていく他はない」
訪れた人たちは、やさしく響く音に耳を傾け、受け継がれてきた伝統の魅力に酔いしれていました。
