

福島名誉教授
厚生労働省が新型コロナワクチンの購入契約書の情報を開示しなかったのは違法だとして、不開示決定の取り消しを決定した東京地裁の判決について、国は、判決を不服として東京高裁に控訴しました。
京都大学名誉教授の福島雅典医師らは、2023年、ファイザーやモデルナなどの製薬会社と交わした新型コロナワクチンの購入契約書の情報を開示するよう厚労省に求めていました。
これに対し厚労省は、「当該法人等の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがある」として不開示を決定。福島医師が代表理事を務める一般社団法人は、不開示決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴していました。
10月9日の判決で東京地裁は、「一部が開示されてもファイザーなどの利益を害する情報が推測されるとは考えがたい」「不開示の部分を分けられないという厚労省の主張は採用できない」などと指摘。全面不開示の決定は情報公開法に違反するとした上で、「文書を合理的な範囲に区切った上で範囲ごとに開示か不開示を判断すべき」として、厚労省の不開示決定を取り消しました。
厚労省は、東京地裁の判決を不服として、10月22日付で東京高裁に控訴しました。控訴理由について明らかにしておらず、12月11日までに東京高裁に控訴理由書を提出する予定です。
国が控訴したことについて、福島雅典名誉教授は、「日本国憲法に規定される通り、国家は国民のためのものであることを国は自覚するべきである」とコメントしています。