若い世代に防災意識を高めてもらおうと神戸市長田区の兵庫県立長田高校では、消防署員から人命救助の方法などを学ぶ体験型防災学習が行われました。
神戸市の県立長田高校で行われた体験型防災学習は、発生から30年となった阪神淡路大震災の教訓を継承し、次の世代の防災の担い手を育てようと、長田消防署が企画したもので全校生徒約960人が参加しました。
長田消防署 米田修大消防士長
「頭が下がると怖い、頭を上に上げる。進行方向は足の方向」
生徒たちは、グループに分かれて地震の揺れを再現する起震車に乗り込むなど6つのプログラムを体験しました。
このうち毛布を担架に見立てて要救助者を運ぶリレーでは、毛布の両端を丸めて持ち手を作り、4人一組で負傷者役の生徒を落とさないよう素早く運びました。
生徒たちは、災害時に担架が無くても身近なもので代用して人命救助に貢献できることを学んでいました。
参加した生徒
「最初に人命救助をしないといけない世代。体験を生かして率先してできるようにガラスや危ないものを意識しながら運ぶ状況を想像すると、焦っている中でどう運べばいいのか、練習できたらいいなと思った」
この他、生徒たちは、災害時に役立つロープの結び方と使い方や、胸骨圧迫といった救命措置の方法などを消防署員から学びました。
参加した生徒
「思ったより硬くて重かった。リズムは知っていたが、深さはあまり知らなかった。深さを覚えようかなと思った」
長田消防署 加百正人消防司令
「いろんな経験をしてよりイメージが具体的になったと思う。イメージを生かして、次の一歩を踏み出して防災につなげてほしい」
一方、1年生の教室では、生徒たちが考案した「ダンボール履物」を制作。
避難所などで、支援物資を入れる段ボールが数多く余るという声から考案したもので生徒たちは、実際に履物を作って履き心地などを確かめていました。
長田消防署では、今後も地域の防災力を向上させる取り組みを進めていきたいとしています。
