障害者らへの強制的な不妊手術などを認めていた旧優生保護法を巡り、兵庫県の斎藤知事は6月26日、被害者と初めて面会し謝罪しました。
26日午後、兵庫県の斎藤知事と面会した旧優生保護法の被害者たち。国を相手取った集団訴訟の原告の1人で耳の聞こえない小林宝二さんは、3年前に亡くなった妻の遺影を手に知事の謝罪を受けました。
【兵庫県 斎藤元彦知事】
「兵庫県としては過去に国の政策に合わせ『不幸な子どもの生まれない運動』をした歴史がある。不適切な施策だったと考えている。改めて兵庫県知事として皆さまに深くお詫び申し上げたい」
【妻が中絶・不妊手術を強制された旧優生保護法の被害者 小林宝二さん】
「私と妻の喜美子は本当に長い間苦しみを抱えて生きてきた。兵庫県は悪いことをしました。謝罪するのが遅すぎます。これからは県の責任で差別のない社会をつくってほしい。社会を変えてください」
1948年に制定された旧優生保護法は、障害や精神疾患がある人への強制的な不妊手術などを認め、約2万5000人が手術を受けさせられました。
兵庫県はかつて旧優生保護法の下で不妊手術を推進する独自の施策「不幸な子どもの生まれない運動」を展開。原告のうち2人がこの運動のさなかに手術を強制されました。
2024年7月には、最高裁が法律は憲法違反として国の責任を認める統一判断を示し、10月に和解が成立しています。
6月26日、被害者らと共に面会した支援者からは、かつて県が行った施策の総括や被害者の掘り起こしに取り組んでほしいという要望が出されました。
最高裁の統一判断を受け、2025年1月、被害者本人に1500万円を支給することなどを盛り込んだ補償法が施行されましたが、支給は5月末の時点で全国で582件。兵庫県では4件にとどまっています。
