〈7/4 阪神 6-5 中日 (甲子園)〉
勝:桑原
S:ドリス
敗:祖父江
5番レフトでスタメンのナバーロに、試合前のベンチでは福留先生から身振り手振りで何かが伝授されていた。
レフトの守備、とくに浜風についてかな。
ナバーロは、まるで野球教室にきた少年のように、小脇にグラブを挟んで福留を真っ直ぐに見て目を輝かせて頷いて聞いていた。
いい関係だ。
ライバルになる存在かもしれないのに惜しみなく知識を与えてくれる福留と、それを一言も漏らさず吸収しようとするナバーロと。
だが、聞いていたことと違った。
8回表、福田のレフトへの飛球を、落下点を想定して追ったナバーロだったが、結果は目測を誤った形となってしまい捕れず。
マウンドでは打ち取ったと思った桑原が苦笑い。
だからといってナバーロをへたくそみそかすに言うことなかれ。
ナバーロは福留のアドバイスに忠実に従って動いたのだ。
風は浜風。なのにレフト側に流れてこないどころかセンター寄りにちょっと戻されたようなボールだったのだ。
ナバーロは責められん。福留がいらんこと吹きこむからや。
気の毒なナバーロ。
(福留が惜しみなく与えた知識…知識…)
(気の毒なのは桑原…)
しかしナバーロ!
打席では結果出しました!
マルチヒットに、犠牲フライの打点付き!
ワー!
同点にしました!
パチパチパチパチ!フヮフヮフヮフヮ!!
そしてこの日ナバーロと一緒にお立ち台に上がった梅野は、2回の守備でのミスを口にして詫びた。
松井雅のセンターへ抜けるヒット、中谷からの好返球、完全余裕アウトのタイミングで、タッチが優し過ぎて失点したのだ。
先発の藤浪に悪い気持ちでいっぱいだっただろう。
4回裏の1点差に迫る3ランは、素晴らしいホームランだった。気持ちだけで打てるものではないけど、気持ちがなくて打てるホームランだったとは思わない。
お立ち台では
「晋太郎が3球もインコースにしっかり投げられ、晋太郎の成長が見えた」
「晋太郎のことをしっかり応援してくれればもっともっと期待に応えられる」
なんて言う。
ひどいヤジもバッテリーを組む梅野には耳に入ってくるのだろうし、そういう声はプラスには作用しないよ、ということが言いたかったんだろう。
選手会長としての自覚もあるし、梅野らしい優しい気遣いだ。
だったら、藤浪をお立ち台に連れてくること。
頼んだ!
藤浪が作ったピンチにマウンドに上がったのは能見さん。
打たれるわけがないっていうか…見事な火消し。
球児や桑原が無失点リレーを繋いだというのも。
ドリスは3点差があれば2点は使うし、2点差があれば1点は使う。そういう性分だね。わかった。心しとく(笑)
大山はなんでお立ち台におったんやったっけ?
あああっ!あのライトの!(笑)
いやいや、真面目な話、俊介の盗塁が前進守備へと動かしたやつだ。
俊介いいね。
大山も立派な立派なタイムリーヒット。
次はホームランがいいな!