正直に白状しますとね、あんな大逆転の翌日ですしね、その反動でまた能見さんが悲運な目に合わされるんじゃないかって、いやあいつら、可能性全然あるよな…って、まず疑ってましたからね。
〈5/7 阪神 6-0 広島 (甲子園)〉
勝:能見
敗:九里
すまんっ!!
いやぁほんとよくやった!信じてなかったけど!(笑)
能見さんのユニのポケットに、今季初のウィニングボールがもたらされた!
新しいグラブで試合に臨んだ能見は、初回、満塁のピンチを招いてしまったが、ここを切り抜けたことが、この日の試合の流れを作った気がする。
天敵新井さんの4球目では、抜群のコースに投げたストレートで、「ストライク」をとれず、その真新しいグラブをたたいて不満を飲みこんだ。その表情は珍しく怒っていた。
ここからだ。人でも殺しにやってきたのかって顔つきに変わったのは。
一死満塁から、新井さんとペーニャを三振にとって仕事人はベンチへゆっくり戻った。
これでビビったのは三塁側ベンチではなく、一塁側ベンチだったのではないだろうか。
打たなきゃ何されるかわかったもんじゃない…
守備に就く民を恐怖政治で支配する能見さん…
しかも、アウトの内容は三振をとるか、自分で捕るか、もしくは野手の真正面に打たせてとるか…そんなすごいピッチングを続ける支配者に意見できる者などいなかった。
一人を除いては。
金本監督だ。
6回表。2アウトをとると、右の會澤のところで、能見を下げた。
能見さんは、超のつく不満顔。
そりゃ投げたいでしょう。
非情采配?いやいや、愛情たっぷり。ベンチも能見さんに勝たせたくて、必死だった。
今一番信頼のおける桑原に會澤斬りの仕事をさせると、金本監督は能見さんの元へと行き、ねぎらいの声をかけた。
能見さんはこれに対してニッコリ笑顔を返した。
サラリーマンなら見習いたい対応だ。
…と、恐怖政治の支配者からサラリーマンまで、能見さんで遊んですみませんw
そんな能見さんに勝ちをつけたのが、「陰のキャプテン」鳥谷!
4回裏二死ながら2,3塁のチャンスで打席に入った。
7球目、完全に九里の失投だったが、これにロックオンすると、引き付けてバットに吸い付かせたボールを、体の回転で今度は引っ張れるところまで引っ張って解き放った。
ライトへのそれは美しいタイムリー!
そして「陰で鳥谷が全部動いてくれている」とお立ち台で言った福留こそ、ゲームでも鳥谷を立てた。
この4回、無死1,2塁で、セーフティーバントを仕掛けていた。
失敗にはなったけど、能見さんが早い回でマウンドを降りることを想定して、とにかく早い回で1点でもいいから能見さんに預けておく必要があった。
福留は「一発」より、満塁になる手、少なくとも進塁打にはなる手を選んだ。福留の後ろには、中谷と鳥谷が続く。信頼がなければこの選択肢はなかったと思う。
「4番が繋ぐ」というこのプレーに、私は鳥肌がたった。
一緒に戦う仲間なら、何も感じない人はいないはず。
いいチームなんじゃないかって、見直した。
↑
なんせ信じてなかったので。(笑)
[今日のキャンベルちゃん]
キャラが定まらない。