左。

自分の「」がひどく不器用だということに気付いたのが小学生の頃。
握力検査だった。
左手で握ったその数値は右手の半分にも満たないのだ。
そういえば、お箸も鉛筆も。ボールを投げるのも
でやってみても何ひとつうまくいかない。
」は一体何やってんだ。

そんな疑問がいよいよ大きくなったのが思春期。
右と左のオーナーとしては「」ばかりを働かせるのはいかがなものか、不公平じゃないか、って思い、時々は「」にも仕事をさせてみるようになった。
だけど“へのへのもへじ”すら満足に書けない。
やってみるとイライラが募るばかり。

だからか、「左利き」に憧れている。
左利きの友人に言わせると、横書きの文字では書いた文字で手が汚れる日常の道具や駅の改札も右利き用握手するにも「あっ」ってなる…などなど挙げるとキリがない。
ということなのだけど、左利きの人はそこそこ「」も使えて器用なのだ。

あぁっ!だからサウスポーにばかり目がいくんだろか!
あんなに吉野の姿を追い続けたのってこんな理屈なんだろか!
今年も気になるサウスポーが入ってきて、「」のことを考えていたら、自分の「」にもまたチャンスをやろうって思った。

・・・ってなんの話か!

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