第12回 サンテレビボックス席ができるまで

前回までは、中継における本社Dやフロアディレクター(FD)の仕事内容について書かせていただきました。あとは中継車Dのお仕事について、ということもありますが、その前に『サンテレビボックス席』がどのような人たちによって、どんなタイムスケジュールで作られているのかをまず書かせていただければと思います。今回は甲子園球場でのナイターを想定したスケジュールです。

さて、そもそも野球中継にはどれだけのスタッフが関わっているのでしょうか?
ディレクターやアナウンサー、カメラマン、音声、VTR、VE、放送席などの設営スタッフ、アシスタント、中継車や音声車のドライバー、スコアラー、など様々な役割の方々が関わっています。現場だけで40名近く、本社スタッフも含めるとなんと50名ほどの人数が関わっています。本当に大がかりです!私も中継に携わるまでは、こんなに人数が多いのかということを全く知らずにびっくりしました。現場のスタッフのお弁当を発注する、というのもディレクターの仕事の一つなのですが、そのときにはじめてスタッフの多さを実感しました。

【13:00 中継車が甲子園球場へ】

中継の5時間前には中継車と音声車が現場入りします。到着次第カメラマンや音声さんなどの技術スタッフが設営に入ります。なお、この段階ではもう中継のカメラ位置の土台や、放送席は設営が終わっています。準備って本当に大変なんです!

中継車や音声車には、中継で使う重たいカメラなどの機材や、長くて重たいケーブルなどがぎっしりと詰め込まれています。それを積み下ろし、それぞれの持ち場へ持っていくわけです。夏の暑い時期は本当に重労働です。雨が降っていても中止が発表されない限りは中継の準備も進めますので、本当に技術スタッフさんには頭の下がる思いです。
機材のセッティングが終わると、中継車にいるTD(技術スタッフの責任者)や、スイッチャー、VTR、VE、ミキサー(音声)の立ち合いのもと、テストが行われます。ここできちんと映像が中継車に届いているのか、音がクリアに聞こえているかをチェックします。

【14:00ごろ ホームチームの全体練習スタート】

ホームチームの練習は試合開始の4時間前ごろより始まります。ウォームアップを全体で、そのあとに投手はキャッチボールやランニング、ブルペンでの投球を行います。野手はバッティング回りや、ノック、走塁を行います。この間にアナウンサーは練習を終えた選手に事前取材を行います。ディレクターも、何か練習中に変わった動きがないか、登録抹消や新たに一軍登録された選手はいないか、などをチェックします。チーム広報さんにもご挨拶します。

【16:00まえ ビジターチームの全体練習スタート】

ホームチームの練習が終わったらビジターチームの全体練習がスタートします。このあたりにはお客さんの入場も始まりますのでご覧になっている方も多いと思います。ビジターチームにもアナウンサーは事前取材を行います。ディレクターも動きをチェックしています。

【16:15ごろ 中継全体打ち合わせ】

中継スタッフが中継車の周りに集まって打ち合わせを行います。まずは当日の中継車Dから、キューシートに書かれている中継の段取りを確認します。そのあとに、実況アナウンサーとリポーターによる試合の見どころの確認を行います。ここで、当日の中継でどのあたりを強調した中継にしたいか、ということを全体に示すことができます。
全体としてはここまでで、そのあとにカメラマン、VTR、スイッチャーとディレクターの打ち合わせが行われ、スイッチャーと中継車Dから、見どころに沿って、「このときはどのカメラでこういう風に撮ってください。」などの確認を行います。個人的にはここが中継において一番大事にしたい瞬間です!
試合はいつどんな展開になるかわかりませんので、急に何かが起こったときにどうするか、注目選手が出てきたときはこういう演出をしたい、など、あらかじめ伝えておくと全員で一丸となって同じ方向を向けるからです。中継車Dを行うときはここを大事にしたいと考えています。

【17:45ごろ スタンバイ】

解説者さんとの打ち合わせも終え、いよいよそれぞれが持ち場へ。最終的に音声のチェックを、本番のアナウンサーと解説者さんの声で行います。そして本番へ!

というのが本番までの流れです。野球以外のスポーツの中継も同じようなスケジュールです。あらためて見ると長い一日ですよね。続いては中継の要である「カメラ位置」について書かせていただきます。カメラ位置の説明が終わればみなさんももうサンテレビボックス席通です!お楽しみに!

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