
11月3日に行われた津波避難訓練

12月6日 和歌山県串本町役場

11月3日 各局が取材

山の避難路
関西民放NHK連携プロジェクト
災害に備えて報道機関も、命を守る行動についてどのように伝えるべきか、模索を続けています。12月6日、和歌山県串本町で住民と報道関係者が津波避難について考える防災シンポジウムが開かれました。
阪神淡路大震災30年を機に、サンテレビなど関西の民放6局とNHKは、災害報道について勉強会を開くなど、局の垣根を超えて連携するプロジェクトを進めています。
12月6日には、和歌山県串本町で防災シンポジウムが開かれ、地域の住民をはじめ7つの局から記者やアナウンサーら約90人が参加しました。
串本町 田嶋勝正町長
「避難路の整備についても、和歌山県下で1番か2番の数を作ってきたわけですけども、ふと感じたのが今まで作ってきた避難路の角度、勾配、あの高さを、高齢者の方々が実際に駆け上がれるのか」
プロジェクトでは、11月、串本町で行われた津波避難訓練にも参加し、記者たちが町内を取材しました。
「あなたは逃げろ。私は無理だから体を家の柱にくくりつける」
串本町は、南海トラフ地震で最短2分で1m、最大で18mの津波の到達が想定されています。まちの高齢化率が約5割となる中、過酷な想定に避難を諦めてしまっている人も多くいるそうです。
住民
「2人とも90歳を過ぎているから声を掛けても自分らは逃げることもできないから、体を柱にくくりつけますと言われた」
Q自分の体を?
「うん。もう逃げられないから」
シンポジウムのテーマは「諦めない津波避難」。避難訓練の取材を通して気づいたことや高齢者の津波避難について住民と記者たちが意見を交わしました。
住民
「自分1人が逃げていいのかと常々思う」
関西大学社会安全学部近藤誠司教授
「知恵を集めて道具を集めてその地区にあった移動の仕方を考えたい」
地区の役員
「避難路を先輩の区の役員が長年かけて14本避難路をつくってくれています。麓まで来てくれたら何人かいるからみんなで助け合って、ある程度の高さまで避難ができる」
サンテレビ藤岡
「寝たきりの方、車いすの方が山に逃げるのは現実的ではない。じゃあ諦めていいのかというとそうではない。車は1つの手段だと」
住民
「道具を整えなさいというヒントをもらって、それを先生にお話に行ったら『それはとてもいいことだ』と。すぐ町長さんに話に行ってきた」
関西の民放6局とNHKは、2026年2月15日に神戸市中央区の人と防災未来センターで防災シンポジウムを開く予定です。