瀬戸内海でカキ大量死 県内産地に打撃 猛暑影響か原因不明 支援を国に要望

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  • 口が開いた状態のカキや死んだカキも多い

瀬戸内海沿岸でカキの大量死が問題となる中、県内有数の産地、相生市でも例年にない不漁に見舞われ生産者から不安の声が上がっています。

養殖ガキの生産量全国4位を誇る兵庫県。

このうち、相生市の「岩本和敏水産」では、25日朝もカキの水揚げ作業が行われていました。

しかし…口が開いた状態の死んだカキや殻を開けても身が小さく育ちきっていないものが目立ちます。

瀬戸内海などで相次ぐカキの大量死。

兵庫県は、猛暑による海水温の上昇や雨の少なさに伴う塩分濃度の上昇などが影響した可能性があると指摘していますが、詳しい原因は分かっていません。

岩本和敏水産 岩本和敏社長

「これは生きてるけれどこれは死んでる。宝探しをしているみたい」

「電話が掛かってきても断っている状態。生き残ったカキがちょっとでも大きくなるように」

育てたカキの8割以上が死滅してしまったと話す岩本さん。

35年間カキの養殖に携わってきましたが生きているかどうかを仕分ける作業に追われるのは初めてだということです。

カキの販売は例年11月上旬ごろから始まりますが、ことしは開始時期の見通しすら立っていません。

異例の状況に国も動き出しています。

11月22日、養殖の振興に取り組む自民党の国会議員らが相生市と並んで生産が盛んなたつの市の漁港を視察しました。

地元の漁業関係者と行われた意見交換会では、漁師から収入面について不安の声が。

漁業関係者

「殻ばっかり」

「出荷して売り上げとなるもの程遠い状態」

「『カキ楽しみにしとったで』と買いに来てくれる。お客さんに売れないのが心苦しい」

カキ養殖に関する議員連盟 末松信介参議院議員

「人から聞いていた話や情報より大きい被害だということが分かった」

カキ養殖に関する議員連盟 加田裕之参議院議員

「しっかりとした原因究明と強い品種も作っていく。長期的な課題もあると感じた」

議員らは21日、木原官房長官に対し養殖業者への財政支援などを求める要望書を提出したということです。

冬の食卓を彩るカキ。

深刻な打撃を受け、先の見えない状態が続いています。

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