阪神淡路大震災の記憶を伝える「神戸の壁」の保存活動を振り返るパネル展が神戸市長田区で開かれています。
震災遺構の保存の大切を全国で訴えてきた2人の男性に話を聞きました。
新長田地区の大正筋商店街にあるWALLGALLERY(ウォールギャラリー)では、今月11日から、震災遺構「神戸の壁」が市民らによってどのように保存されてきたかを62枚のパネルで紹介しています。
震災遺構の保存活動に力を入れている現代美術家の三原泰治(みはらたいじ)さん。
1927年ごろに建設され空襲と震災から焼け残った防火壁・「神戸の壁」の保存を進めた一人です。
公費での解体が優先され、遺構を保存することへの意識が乏しかった時代に、「残されたもの」を通じて災害の教訓を伝える大切さを訴え続けました。
三原さんらの手によって神戸の壁は解体を免れ、現在は、淡路市の北淡震災記念公園で保存されています。
三原泰治さん「震災を体験したもの、地域のものとして震災を伝える。
震災で得た教訓を未来、世界に伝えて次の防災に役立つ」北淡震災記念公園の元総支配人の宮本肇(みやもとはじめ)さん。
三原さんとともに宮城県南三陸町の高野会館(たかのかいかん)など、全国の被災地に残る遺構の保存活動に取り組んでいます。
宮本肇さん「野島断層を考えた場合、あの断層を見れば訴える力があるんですね。
震災遺構として残してそのことを伝えながらどのような形でまちを創造的復興していけるか、震災なり災害が起こった時、そこのまちの使命かなと思うんです」会場では、東北や能登の震災遺構も紹介されていて、このパネル展は、来月12日まで開かれます。


