
神戸市長選に立候補した4人

神戸市長選挙の投開票日は10月26日。
あなたの考えに近い候補を見つける『投票マッチング』について特集します。
「投票マッチング」とは、複数の政策テーマについて自分の考えを選択すると、考え方が近い候補者が分かる仕組みです。
今回、サンテレビでは神戸市長選の争点となるテーマについて、各候補者に考えを伺いました。
現職・新人合わせて4人が立候補
立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で、現職の久元喜造さん(71)、新人で元神戸市議の五島大亮さん(48)、新人で兵庫労連事務局長の岡崎史典さん(56)新人でニュース分析会社社長の木島洋嗣さん(50)の合わせて4人です。
神戸の都心再開発、総事業費は7440億円。
三宮を中心に進められる大規模プロジェクト、その行方はどうなるのか。
五島さんは、計画内容の見直しを岡崎さんは、計画自体の中止を求めています。
五島大亮さん「全体的な三宮の計画には、賛同なんですけれども、将来歩行者天国にしようというクロススクエア計画については私は反対で 車も人も動きやすい神戸 これを目指すべきだと思っています」
岡崎史典さん「巨大プロジェクトというのは、市民のために必要な設備ではないということです。大企業を潤すために今、生活物価高の中で苦しんでいる市民の皆さんのお金を使っている。見直すべきだと思っています」
大学への土地売却と動物園のリニューアルなどを進めている王子公園の再整備、岡崎さんは、市民の声をしっかり受け止めず、一方的に計画を進めようとする市の姿勢を強く批判しています。
岡崎史典さん「市民はNOの声を上げている その声をしっかりと受けとめて、王子公園、王子動物園の再開発は進めていくべきだ。対話を通じてどのような方向性がいいかというのを探っていくことがまず必要かなと思います」
都心部の居住機能を抑制し、郊外に居住を促す神戸市の住宅政策について現職の久元さんは、既成市街地を活用した住宅政策に意欲を示しています。
久元喜造さん「三宮・元町ではない既成市街地、これは兵庫区や長田区や須磨区にも垂水にもあります。そういうところに一戸建ての住宅を作る、あるいは小規模なマンションを民間事業者に作っていただく。ライフステージに応じた住宅ニーズというのは多様です。そのポテンシャルを最大限に活かす住宅政策というものを展開することができないかということです」
一方、五島さんは、新たな住宅地の開発ではなく、空き家対策のほうが急務だと訴えます。
五島大亮さん「空き家が11万戸ある中でまた新しい住宅地を造るということ自体がちょっと私は懐疑的です。本来は、今の空き家をどうリノベーションしていく政策をつくっていくのかというのが第一義として議論されるべきだと思います」
建設規制に加えてさらに空室税の導入検討を進めている神戸市ですが、木島さんは、タワーマンションと商業施設を組み合わせた複合ビルの建設で税収を増やし、健全な財政運営を目指すとして、規制緩和を訴えています。財源を確保することで、水道料金の引き下げや給食費の無償化など、物価高対策にもつなげたいと訴えます。
木島洋嗣さん「今の久元さんの試算では、10年後神戸市は約1000億円の収支不足に陥ります。もしこの高さ規制緩和をすれば、福岡・川崎並みに税収が入ってくれば、毎年260億から270億ぐらいの税収が10年後は確保できることになりますから、タワーマンション規制というよりは、その複合ビル規制、いわゆる高層階に住宅、低層階に商業施設とそういうビルを建てられるようにするためにも今の規制を緩和すべきと思っています」
物価高対策は国の財政政策であるとして具体的な対策は考えていないとする神戸市。
五島さんは、収入増と労働力確保を目指し、「市税における年収の壁」の引き上げを公約に掲げています。
五島大亮さん「国税の所得税の課税最低ラインというのがかなり上がりました。神戸市の地方税については110万が課税ラインとして残ってしまっているのでここに差がある、この差の部分を神戸市独自で市民に配偶者と大学生の皆さんにある意味減税のような形で神戸市は還元させていただきたいと思っています。もっと働きたいなと思っている方々に働かせてあげたい」
岡崎さんは、中小企業支援と賃金の引き上げ支援金などを公約に掲げています。
岡崎史典さん「中小企業への支援というものはほとんど見受けられません。働く人の賃金を引き上げた中小業者には直接的な助成補助などをつくっていく。また安定して働けるということがこの市民の皆さんにとって必要だと思っています」
2024年、民間企業の調査で共働き子育てしやすい街ランキング全国1位となった神戸市。
岡崎さんは、近隣都市との格差拡大を問題視。「医療費無償化」を公約に掲げ、さらなる子育て支援の必要性を訴えています。
岡崎史典さん「久元市長は、1期目の時に、子どもの医療費無償化、これを実現しますということで公約に掲げました。しかし今3期過ぎた時点でこの公約は果たされていません。しっかりと医療費の無償化は変えていかなければならないと私は考えています」
全国の政令市で先駆けて、来年から本格導入される部活動の地域移行「コベカツ」。
五島さんは、時間をかけて検討し、報酬など制度設計を整えるべきだとしています。
五島大亮さん「参加したい教員、それから指導してあげるよと言っている。いま手を挙げている人たちなどに、ちゃんと指導の報酬を出す形で拠点校方式のような部活動地域移行をできればと考えています」
阪神淡路大震災からの復興とともに進められたのが医療産業都市構想など産業構造の転換。
久元さんは、空港や港湾などハード面が整う神戸市に、今後は「都市型創造産業」の分野でスタートアップ支援の強化に意欲を示しています。
久元喜造さん「国際コンテナ戦略港湾の整備、これに加えて神戸空港が国際空港となりました。神戸の産業構造で他の主要都市と比べてやや見劣りするのが都市型創造産業といわれる分野です。海外からも来ていただくっていう視点も大事だと思うんですよね、東京からも同様です。かなり広い視野を持ったスタートアップの視点というのが必要ではないかと思っています」
神戸市の人口は150万人を割り、川崎市や福岡市を下回りました。
こうした人口減少を受け入れる神戸市の人口政策について、新人の3候補はいずれも評価できないとしています。では、現職の久元さんはこの問題をどう考えているのでしょうか。
久元喜造さん「出生数を増やしていくということが大事ですから 当然子ども子育て支援ということをやっていく。環境条件をどう作っていくのかということ、一戸建てを中心としたお手頃な住宅を神戸市が中心になって供給することができないか、これはぜひ進めていきたいと思っています」
3期12年間続いた久元市政、岡崎さんは久元市政は大企業優遇の政策で地元経済を停滞させた責任は重いと批判します。
岡崎史典さん「久元さんの12年間で進めてきたのは、やはり大企業優遇、大型開発で大企業が儲かる仕組みをつくってきたということだと思います。その点は全く評価できない」
久元さんは、12年間の市政をどう総括するのでしょうか。
久元喜造さん「必死に自分としては緊張感を持って対応してきたつもりです。ただ振り返れば、もっと自分なりにもっとうまく対応すれば もっと早く実現ができたという思いもありますし、今回の選挙で有権者の皆さんの審判を仰ぐ事項だと思っています」
県庁舎の建て替えに伴う元町再開発など、県との連携が求められています。
木島さんは斎藤知事の政策を評価、連携をさらに深めて、より効果的に施策を進めたいと意欲を示しています。
木島洋嗣さん「斎藤知事の政策大賛成です。一方で文書問題に対する対応については評価していません。斎藤知事が進めてきた兵庫県立大学の無償化同様に神戸市立大学の無償化もしたい。そしてもう一つ神戸市が保有する新長田・新神戸の施設を活用して県庁建て替えを費用を抑えるべきと、具体的に僕は政策を言っています。斎藤知事と一緒にやる具体的政策を挙げているのはおそらく4人の中で私だけだと思います」
紹介した争点となるテーマと各候補者の主張。
あなたの考えに近いのは誰でしょうか。
神戸市長選は、10月26日に投票が行われ、即日開票されます。
「投票マッチング」にぜひ参加を
サンテレビは、「選挙ドットコム」と共同で神戸市長選の投票マッチングサイトを開設しています。
市政に関する質問について賛否を答えると、あなたの考えに近い候補者とのマッチング度が測定できます。
サンテレビ×選挙ドットコム「神戸市長選挙2025投票マッチング」
https://votematches.go2senkyo.com/kobe_mayor_2025/