【ヴィクトリーナ姫路】新戦力・野中瑠衣、「私のスタイルで」

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  • ヴィクトリーナ姫路 12野中瑠衣

  • 「本当に苦しい期間でした」

  • (右)ともに日本代表で活動した ヴィクトリーナ姫路 20河俣心海 /提供:ヴィクトリーナ姫路

■期待のスパイカー

女子バレーボールSVリーグ・ヴィクトリーナ姫路に新加入した日本代表・野中瑠衣(のなか・るい)が7月下旬にチームに合流し、10月10日のシーズン開幕に向けて練習に取り組んでいる。

野中は秋田県出身の24歳。177㎝。

秋田北高から日立Astemoリヴァーレ(現・Astemoリヴァーレ茨城)に入団し、オポジット(セッター対角=ライト)のポジションで活躍してきた。

今シーズンは、攻撃の主力となるアウトサイドヒッター(レフト)での起用が予想される。

野中に今シーズンへの意気込みなどを聞いた。

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Q.姫路への移籍を決めたのはーー

「レフトでやってほしいと最初から言ってくれたのが姫路さんだけだった。私はオポジットしかやったことがないのに、リスクを取って言ってくれた。私もレフトに挑戦したい気持ちがあったので、決め手になりました」

「Astemoでは会社員として(選手を)やっていた。(ヴィクトリーナは)完全にプロ化しているチームで、自分のことに集中して取り組める環境が備わっているし、トレーナー陣が充実しているのも大きかった」

Q.レフトへの思いはあったーー

「今までは、攻撃的な選手を活かすために、自分がそのバランサーとなってディフェンスを頑張ったり、つなぎを頑張ったりする役割りだったが、私のようなプレースタイルの選手は、これからオポジット1本でやっていくのは厳しいのかなと…。自分の意思で、未来へ飛び込んでみたい、挑戦したいと思いました」

■苦しかった代表

野中は今年の日本代表に選ばれたが、「A代表」から「B代表」に変わり、ネーションズリーグや世界選手権には出場できなかった。

「B代表」で臨んだ8月の韓国招待試合は5試合すべて出場した。

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Q.代表での日々はーー

「今までの人生にないぐらい、本当に苦しい期間でしたし、悔しかったです。ちょっとチャンスをくれたら、絶対、(A代表として)活躍すると思っていたが、その場すらなかったことが、やるせない気持ちというか……。落ち着いて整理していく中で、やはりスタメンで出したいと思えるぐらいの選手になれていなかったのは現状まちがいない」

「自分は、自分を褒めてあげることができない。けっこう過小評価してしまう。自信がなかったから苦しかったのかなと(思う)」

Q.代表では苦しいことばかりーー

「いや、楽しかったですよ。充実はしてました。自分にとって苦しい経験が、今は充実していたなと思うし、いま充実できているのもこの期間のおかげです。初めて代表に呼ばれて、代表とはこういうものだと、こんなに厳しいものだと分かりました」

■木村沙織の「12」

ヴィクトリーナ姫路は、エースの井上愛里沙(現・ユース15監督)が昨シーズンで現役引退し、レフトのレギュラーポジションが1つ空いた。

野中への期待は大きい。

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Q.井上さんが抜けたポジションーー

「期待値が高いのは自分でも感じている。(しかし)井上愛里沙さんのようなことを、今すぐやれと言われても、それは不可能。私は、私のスタイルがあるので、それを見つけながらやっていきたい。責任は重大と思うが、それを考えすぎず、自分のスキルアップ、成長にしっかり目を向けて、それがいずれチームのためになると思う。井上愛里沙さんのあとだとか、チームを勝たせなきゃとか、それが先行しすぎないようにやりたい」

Q.今、どんな練習をーー

「これまでは緩急をつけて、軟打から強打とか、ブロックアウトを得意としていた。今は、『フェイントなんかしてたまるもんか』という気持ちで、とにかく力強く打つことをテーマに置いている。フェイントしたら点が取れる場面でも、とにかく力強くレフトサイドから打つことを練習している。リーグが近づいてきたら、もっと緩急をつけて、上手く点数を取れるようになっていきたい」

Q.姫路の街はーー

「田舎育ちで関西に来るのも初めてだけど、私からすると姫路は都会すぎる。ご飯屋さんとかカフェとか、姫路城とか観光地も含めて、オフの日も楽しめそう」

Q.背番号は「12」ーー

「ずっと12が好きだったので嬉しいです(笑)。日立(Astemo)では13番だった」

Q.なぜ12が好きーー

「バレーを始めた時、いちばん好きだった木村沙織さんが付けてた番号が12番だったので、昔から好きな番号でした」

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レフトのポジションは野中のほか、強烈なスパイクを打つチャッチュオン・モクシー(タイ代表)、守備もこなす渡邉かや、新加入のイ・ジェヨン(元韓国代表)らが揃う。

開幕まで1カ月、代表経験を糧として、野中は新しいポジションで躍動するか。

(浮田信明)

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