■秋からドイツへ

女子バレーボールSVリーグ・ヴィクトリーナ姫路所属で、日本代表の秋本美空（あきもと・みく 神奈川県出身 185㎝ アウトサイドヒッター 18歳）が8月1日、東京都内で記者会見し、10月から1年間、ドイツ・ブンデスリーガ1部の強豪・ドレスナーSCにレンタル移籍することを発表した。

■もっと成長したい

秋本は16歳時に日本代表登録メンバーに初選出。

“春高バレー2025”で共栄学園高のエースとして母校を優勝に導き、ことし1月にヴィクトリーナ姫路に入団。

リーグ終盤の12試合に出場し、強烈なスパイクで142得点を挙げ、アタック決定率は40.4%を記録するなど、早くも主力級の活躍を見せた。

6～7月に行われた国際大会・ネーションズリーグ（VNL）にも日本代表として出場し、34得点を挙げた。

母はロンドン五輪バレーボール銅メダリストの大友愛さん。

記者会見の主な発言は以下のとおり。

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（冒頭に起立して）

「こんにちは。

高校を卒業してから、海外に挑戦してみたいという気持ちはあったのですが、今回、代表の試合（VNL）などを通して、もっともっと海外に通用するような選手になりたいと思って、海外に挑戦することを決めました」

Q.海外挑戦を決めた経緯はーー

「（ヴィクトリーナ姫路のアヴィタル・セリンジャー）監督やお母さんとも話して、海外に挑戦した方がもっと成長できると言われた。強くなって帰ってこれるように頑張ります」

Q.海外で何を吸収ーー

「海外の選手相手には勝てないと、（VNLで）学んだ。自分はあまり経験がないので、海外で経験を積みたい」

■母に背を押され

Q.ドイツのイメージはーー

「ドイツのバレーは高さがあるので、自分の高さがどこまで通用するか…。国に関しては、すごく綺麗な街だと思っています」

Q.今の気持ちはーー

「プレーで嚙み合わなかったりするのが不安だが、自分がどれだけできるのかというのがすごく楽しみです」

Q.お母さんからはーー

「『行っておいた方が絶対に成長できる』と前向きに言ってくれた」

Q.海外経験した選手はどこが違うーー

「井上（愛里沙＝フランスでプレー）選手は、（ヴィクトリーナ姫路で）一緒にやってみて、すごくメンタルが強いなと感じた。石川（真佑＝イタリアでプレー）選手は、高いブロックに対して打ち込んでいったり、メンタル面が強い」

Q.VNLで見えた自身の課題はーー

「自分は2枚替えとか、途中で入ることが多かった。少ない時間でどれだけ自分のいいプレーを発揮できるかというのが、今後も使ってもらう大事なことだと思っている」

Q.世界選手権（8/22～ タイ）への意気込みはーー

「VNLでは悔しい結果（4位）になってしまったので、チームの課題を改善して、世界選手権では優勝できるように頑張りたい」

Q.春高優勝、姫路入団…この半年を振り返ってーー

「1月まで高校でプレーしていて、今では世界相手に戦っている。いちばん成長できた期間だと思っています」

■1年以上の可能性も

秋本の海外挑戦について、記者会見に同席した上原光徳・株式会社姫路ヴィクトリーナ社長は、

「クラブとしては、秋本選手が1年間、姫路にいないので、ファンも含めて非常に残念だが、秋本選手は日本の宝。世界のトップで活躍するためにどうするかを考え、（海外挑戦に）行き着いた。世界のトッププレイヤーとして、帰ってきてくれることを期待しております」と語った。

移籍先をドイツに決めた理由について、

「ドイツリーグは若手を育てるリーグで、非常にいいとセリンジャー監督から推された。秋本は初めて（の海外挑戦）なので、じっくりと育ててもらえる」と説明した。

また報道陣から、2年目以降にイタリアなど他のクラブから秋本にオファーがあればと問われた上原社長は、

「（2年目以降も海外でプレーする）可能性は選択肢としてある。それが目的で秋本選手を海外に出すのではなく、結果論としてはあるかと思う。その段階でいろいろ話し合いができればいい」と答え、海外挑戦が1年を超える可能性を否定しなかった。

（浮田信明）