神戸市立須磨海浜水族園、通称「スマスイ」。およそ3万もの さまざまな生き物を間近に見ることができ、多くの人が訪れる大人気の施設です。
(入園者ら)
遠足の定番だったので。(今まで何回ぐらい来たかは)もう覚えてない。数えられないぐらい来ていますね。
もう週1回ぐらいは。新しくなるのは すごく楽しみなんですがでも寂しい。この感じが結構好きだったので スマスイは。
寂しい理由…それは3月からの一部営業休止。
(神戸市立須磨海浜水族園 広報企画 岡光敏宗さん)
2024年の新たな水族館のオープンに向け、今年の3月から本館営業を実施させて頂きます。主な施設としてイルカライブ館やラッコ館・ペンギン館、あとアマゾン館など本館以外の建物すべてが休止対象になっています。
波の大水槽がある本館を残して、来月からスマスイの人気施設を含む大部分が休止します。
休止エリアのうちのひとつが「ラッコ館」。水族館のアイドル・ラッコと会えるのは、実は日本で4カ所のみ。しかも6頭しかいない、とても希少なものなんです。
また「遊園地」も休止エリアに。決して 大きくはありませんが、子どもにとって最高の遊び場です。ここで遊園地デビューを果たした、という人も多いのではないでしょうか?
(入園者)
ちょっと全体的に古い感じはあるけど、レトロで逆に懐かしくて面白いところがある。
さらにスマスイの人気ナンバー1「イルカライブ」。ここも3月から休止します。
(神戸市立須磨海浜水族園 イルカトレーナー 橋本智晶さん)
イルカたちと一緒に感謝の思いを込めてお届けします。「イルカライブTHEファイナル」まもなくの開演です。
イルカライブ、残り およそ1ヶ月となった この日。イルカトレーナーの橋本智晶さんのお仕事を見させていただきました。橋本さんは現在32歳、イルカトレーナー歴11年。チームで一番のベテランです。
(橋本さん)
前日までの動物の動きが一体どういう動きをしていたのか。欲求だったりとか下がっていないかな、というのをチェックをしています。(きのうに問題は)そんなに大きく問題はないかなという感じです。
確認が終わるやいなや、すぐに向かったのが餌の準備。
(橋本さん)
毎日100kg以上の魚を解凍して、1頭につき大体10kgから15kgぐらいの餌を用意しています。
(橋本さん)
今から採血のトレーニングをするのですが、後ろにカメラがあるとビックリしちゃうと思うので、ここから全体的に撮っていただいても大丈夫なのでお願いします。
体温や体、口の中など健康状態を確認し、コミュニケーションをとります。
(橋本さん)
人間1人と動物1頭、1対1で向き合う瞬間なので、私が他のスタッフと挨拶をするのと同じような感じで。
仲間のうちの1頭という感じなので、笑顔で動物たちと接するようにしています。
打ち合わせを行い いよいよ本番です。
(橋本さん)
大変長らくお待ちしました。須磨イルカライブ開演です。
32年間この場所でお届けしてきたイルカライブは親子3世代にわたって多くのお客様に愛されてきました。ここからは是非、この場所で作った沢山の思い出を、ご家族やお友達・大切な方と振り返りながらご覧ください。
そしてイルカライブの歴史で いままでに無い演出も。トレーナーがプールの前に立ち、感謝の気持ちを伝えます。
(橋本さん)
ここでの思い出が、少しでも皆さんの記憶に刻んでもらえたら。ふとした時に思い出してもらえたら。スタッフ一同これほど嬉しいことはありません。少しだけさよならだけど、必ずまたお会いしましょう。32年間沢山の応援を本当にありがとうございました。
ライブ終了後、客席へ行き お見送りをします。
(入園者ら)
毎月見ていて来月で終わってしまうので、イルカショーのお姉さんたちの言葉を聞いて2人でウルウルしながら見ていた。いや~寂しいすぎますよ。
感動しました。いつ見ても良いですね。今まで見ていたイルカライブと違って最後なんだなっていうのがより染みた感じですね。すごく寂しくなりました。
(橋本さん)
「終わっちゃうんだ」って思うと 泣きそうになる瞬間もありながら毎日ライブをやっているんですけど、皆さんにも「楽しみにまっていてね」ていう思いをこめて一日一日感謝をこめて届けていきたいなと思っています。
残り1ヶ月。まもなくスマスイ最後のイルカライブの時がやってきます。