たくさんのおもちゃが並ぶ姫路市の「面白山(おもしろやま)児童センター」。訪ねてみると・・・ありました!おもちゃの病院。ここにお医者さんがいるんでしょうか?
「今日も数点また先生がお家に持って帰ってくださっているので、すぐに直そうとしてくださっているので今もしていると思います。」
職員の女性に教えてもらい、すぐ近くにある先生の自宅にお邪魔しました。
「はい。私、吉田と言います。院長です。」
面白山おもちゃ病院の院長吉田清彦(きよひこ)さん。御年84歳。
おもちゃの修理に興味をもったきっかけは些細なことでした。
「テレビを見ていたら、おもちゃを修理している番組がでてきて、もともとそんなごちゃごちゃするの好きやったんでそんなこともしてみたいなとその時は思って終わったわけや。」
その後、吉田さんは勤めていた自動車関係の会社を66歳で退職。しばらくして、面白山児童センターの協力もあり、おもちゃ病院はスタートしました。
しかし、おもちゃの修理経験が全くなかった吉田さん。当時、朝来市でおもちゃを修理している店に話を聞きに行くなどして手探りの状態でした。
「おもちゃ直すのに全然部品がないいうて、そのつもりでかかってやらなあかんでて、言われたときにないんやったら作るんやったらやってみようか思て」
おもちゃ病院の仕組みはこうです。まず子供たちが直してもらいたいおもちゃを、面白山児童センターへ持ち込みます。それを吉田さんが自宅に持ち帰って修理。児童館に戻ってきたおもちゃを子どもたちが引き取りにくるシステムで、診察料は、初診料100円と修理にかかった材料費のみです。
「おもちゃだけで3000件越え、面白山(おもちゃ病院)で3000個な」
2005年に始めた修理は、ことし6月、3000件に到達。プラレールやラジコンカー、人形をはじめ、手品に使う道具まで直し、その数だけ子どもたちの笑顔を生み出してきました。
こちらは吉田さんが直したタッチペン。
「これはメインスイッチ。ON・OFFが接触悪いいうてスイッチが入りにくかった。スプレーかけたらそれで動いた。」
簡単に直るものもあれば・・・時には重症のおもちゃも運ばれてきます。そんな時に備えて吉田さんは、普段から、捨てられたおもちゃを分解したりして使えそうな部品を集めています。
「なんでもいるかいらんか置いとかなしょうがないもんな。なんか細かいもの欲しいなって思うときあるやん。この中からがーっと探してあ、これ利用できるかなぁってあるわけやん。やから、こうやって置いてあるねん。なんかこんな格好のもんないかなぁって思ってたらでてくるわけや、この中から。そういう努力せなんだらおもちゃも直らんの。」
子どもにも親にも喜んでもらうため、治療費をできるだけかけないように試行錯誤しています。
(先生はどんな存在?)「もう、もうどう例えたらいいのかわからないくらい本当に素晴らしい方というか、みんなのための想いが強いというか、自分のためやとおっしゃるんですけどそうじゃないなと。貢献力は半端なくすごいので改めてすごい方としか言いようがなくって。」(田中さん)
84歳の吉田さん。実はおととし心筋梗塞で入院し、おもちゃ病院を休診したことがありました。その時も、「依頼があったらすぐに連絡して」と、職員に伝えていたそうです。そこまで、おもちゃの治療に打ち込める原動力とは…
おもちゃの持ち主の家族から届いた手紙が残されています。
“先生、直してくださり本当にありがとうございました。”
“おもちゃ病院の存在を知り、本当に救われました。”
おもちゃを直し続けて14年。吉田さんが子供達に伝えたいことは?
「おもちゃでも、修理に持って行こうかと思っても古いおもちゃもあったりするやん。こんなん持って行ったらどない思うやろて思う人もあるかわからへん。そんなもんも躊躇せんと持ってきてくれたらと思う。子どもにしたら宝物やからな。それを直せるということは幸せやと思う。」