
神戸マラソン 新コースの大蔵海岸近くを走る先頭集団/11月16日

神戸マラソン 日本人トップ (左)熊橋弘将(山陽特殊製鋼)、(右)酒井心希(シスメックス)/11月16日

神戸マラソン 新フィニッシュ地点のハーバーランド/11月16日
■MGCには届かず
神戸マラソン2025が11月16日に行われ、午前9時に神戸市役所前をスタートしたフルマラソンには、内外の有力ランナーや市民ランナーら2万623人が参加した。
これまで終盤に「浜手バイパス」の急坂を登り、神戸大橋を渡ってポートアイランドへ向かっていたコースが変更され、フィニッシュ地点はハーバーランドに。
折り返し地点は明石市の「大蔵海岸」まで延長され、コース全体の高低差は10m程度のフラットなコースとなった。
男子はエリシャ・ロティッチ(ケニア)が2時間11分2秒で優勝。
女子はジャクリン・チェラル(ケニア)が2時間28分25秒で優勝した。
また男子の日本人トップは、終盤に追い上げを見せ3位に入った熊橋弘将(山陽特殊製鋼 たつの市出身 31歳)が2時間11分45秒でフィニッシュ。
女子の日本人トップは、初マラソンで3位と健闘した酒井心希(ここね)(シスメックス 21歳)が2時間35分22秒でフィニッシュした。
神戸マラソンは、「MGC(マラソン グランドチャンピオンシップ)シリーズ」に加盟し、2028ロサンゼルス五輪出場につながる大会となった。
男女日本人トップは、条件(男子:2時間9分0秒以内、女子:2時間27分0秒以内)をクリアすればMGC出場権を得られたが、熊橋・酒井とも条件をクリアできなかった。
■20度近くまで上昇
レース当日の気温は、午前9時のスタート時点で16.0度。
午前11時は18.0度で、最高気温は19.4度まで上昇した。
男子優勝のロティッチは2時間4分台の記録を持っているが、終盤にペースが落ち、男女とも大会記録の更新はならなかった。
熊橋はレース後、
「いける所まで先頭でいきたいと思ったが、後半なんとかもってよかった。フラットなコースで走りやすかった。日差しが強かったので体力を奪われた」と語った。
フィニッシュして倒れ込んだ酒井は、
「初マラソンは予想以上にしんどかったが、沿道の力を借りて走った。休日に遊びに行くハーバーランドがゴールで嬉しかったです」と笑顔を見せた。
■新コースは「心理的に楽」
震災30年の神戸を走り抜けたランナーは、制限の7時間までに1万9800人がハーバーランド「ガス燈通り」にフィニッシュし、完走率は96.0%を記録した。
新コースについて市民ランナーは、
「30kmを過ぎると体力的にきつくなるが、浜手バイパスの坂がなく、残り12kmはほぼフラットなので心理的に楽だった」。
「折り返しの大蔵海岸では、建物をはさまずに海と明石海峡大橋が見え、絶景を味わえた」。
「折り返し地点がちょうど全コースの半分になったので、気持ちを整えやすく、後半も頑張りやすかった」などと感想を語った。
また、
「浜手バイパスと神戸大橋がコースから外れ、走りやすくなったが、あの区間を乗り越えることが一つの醍醐味でもあったので、少しさびしさもある」との声もあった。
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サンテレビでは、スタートから最後のランナーのフィニッシュまで生中継でレースを伝えた。
(浮田信明)