兵庫県伊丹市に住む85歳の男性が警察官などを名乗る男から約1億2610万円をだまし取られたことが分かりました。

警察によりますと、男性（85）は、2025年8月、警察官や検察官を名乗る男から「特殊詐欺グループの犯人を逮捕したところ、あなたの名義のキャッシュカードを所持しており、約2000万円の被害が発生していて、その10％をあなたに渡したと供述しています。警察は、あなたを事件の共犯者として把握しています」などと嘘の電話を受けました。

その後、メッセージアプリのビデオ通話で、被害者の氏名が記載された逮捕状などを見せられ、さらに検察官を名乗る男から、「嫌疑を晴らさなければ逮捕されます。犯罪に無関係であることを証明するために、まとまったお金を紙袋に入れて自宅玄関扉の外側に置いてください。回収した現金を確認して、犯罪と無関係だと判明すれば返金します」などと嘘を言われました。

男性は、指示されるがままに8月から7回にわたって計約1億800万円を紙袋に入れて玄関に置き、金は何者かに持ち去られたということです。

さらに、4回にわたり銀行口座などに1810万円を振り込み、計約1億2610万円をだまし取られました。

警察は特殊詐欺事件として捜査を進めています。

電話で警察官を名乗り、「犯罪と無関係であることを証明するために、現金を確認する必要があります」などと言って、現金を渡すよう要求するのは詐欺です。警察は、このようなケースがあれば、警察に相談してくださいと指導しています。