15年前、兵庫県神戸市北区で殺害された男子高校生の遺族が加害者の男と両親に損害賠償を求めている裁判で、両親に対する証人尋問が行われました。
2010年10月、神戸市北区の路上で高校2年だった堤将太さん(当時16)が、当時17歳だった男(32)に刃物で刺され、殺害されました。
男は事件から約11年後に逮捕され、殺人の罪に問われた裁判では、最高裁で懲役18年の実刑判決が確定しています。
堤さんの遺族は「両親が当時未成年の男の監督責任を怠った」などとして男とその両親を相手取り、約1億4900万円の損害賠償を求めていて、21日、神戸地裁で男の両親に対する証人尋問が行われました。
この中で、男の母親は事件後、男が「刺したかもしれない」と話したことについて、「事件を目撃して混乱しているだけで犯人ではないと思った」と述べました。
また、父親は男が「事件の犯人かもしれない」と発言したことについて、「現実と区別できていないと思った」と話した上で、事件以降の男との向き合い方に対して「後悔はない」と証言しました。
その後、堤さんの父親の敏さんが証言台に立ち、今回の訴訟について「お金じゃない。15年前の生活と息子を返してほしい。責任の所在がどこにあるかを考えて答えてほしい」と述べました。
堤将太さんの父親 敏さん
「真実は語られなかったというのが今の私の感想です。明らかに嘘をついている。突っ込まれるとその上に嘘を重ねる。相変わらず逃げる方法を模索しているように感じた」
