
サンテレビのインタビューに答える小説家・有川ひろさん

Moixxのクリエイター藍さん

「クロエとオオエ」と「Moixx」のコラボジュエリー 【プティ・リバーシブル】

最新作 「クロエとオオエ」
―有川ひろさんの新作小説「クロエとオオエ」が6月11日に発売されました。
宝石商の跡継ぎ、大江頼任と彫金を家業とする職人の娘・黒江彩の恋模様。
目の前に浮かび上がるように描かれた美しいジュエリーの数々と、2人の軽快で時々笑える会話の応酬はまさに有川ワールド全開。そして、クロエの作るジュエリーに魅せられた客たちのドラマにも注目です。
有川さんの小説でしか味わえないラブコメがたっぷり詰まった今作について、特別にお話を伺いました。
待ってました!有川さんの“ド直球ラブコメ”
クロエのモデルとなったのは、神戸・三宮のジュエリーショップ・Moixxのクリエイター 藍さん。
物語には有川さんから見た藍さんの魅力も反映されています。
「Moixxさんという三宮のジュエリー屋さんに行くようになって、そこで作っているジュエリーがすごく面白い。従来のジュエリーじゃない感じの自由なものを作っているのにすごく惹かれて、作っているデザイナーさんがすごく素敵な人だったので、これは小説になるなと思って2年くらい通いながら様子を見ていました。
それから『あなたたちを小説に書かせていただきたいんですけれども』とカミングアウトしました。楽しく書かせていただきました」
自分のために着ける 作中のジュエリーの魅力
【作中に出てくるジュエリーへの思いは?】
「自分が上がるジュエリー。気に入った石は、自分の目に入るように指に着けるというのを教えてくれたのもMoixxさん。従来のジュエリーはレディッシュというかドレッシーなものが多くて、私が着けたいなと思うものはあまりなかったんですけど、Moixxさんはわんぱくなデザインが多い。そこにすごく惹かれました」
【有川さんにとってジュエリーとは】
いざというときに自分を上げたいというのと、私だったら宝塚(歌劇)が好きなので、観劇に行く時に絶対着けたい。ネックレスとかだと人を楽しませるジュエリーになるけれど、リングだと自分が見て楽しむためのジュエリーという感じで、Moixxさんのジュエリーを着けたら自分の手がすごくかっこよく見えたりするのですごく楽しいです」
【物語をどのように楽しんでほしいか】
「主人公の頼任がガチガチの従来の保守的なジュエリーのお店の御曹司で、クロエという女の子は自分が着けたいものを作るわんぱくな女の子。
この2人の違う文化同士のぶつかり合いとか、その上での理解や距離が縮まっていく、惹かれていくというところを楽しんでいただけたらいいかなと思います」
初手は猫だまし!? 出会いを大切に 瞬発力と握力を鍛えておく
【書きたいテーマはどのようにして決めているか】
「書きたいテーマは、自分で決められるものではないんですよね。 “降ってくる”という感じです。
作家として自分が一番大事にしていることは、出会いが降ってきた時に飛び出せる瞬発力とつかみ取る握力を鍛えておく。Moixxさんもそうでした。『知り合ってこの人たち素敵な人だな、よしいこう!』みたいな感じ。
こちらには『有川ひろ』という名前があるじゃないですか。それを名乗るとびっくりしてもらえるので、びっくりしたすきに突っ込む 猫だましみたいなものですね」
【作品を楽しみにしている読者に伝えたいこと】
「本というのは、楽しむためだけに読んでいいものだと思っています。読んで楽しむためだけのものを私はこれからも書いていきたいと思っているので、気分が落ち込んだりしたそういう時でも、本を読んでいる時はちょっと楽しくなれる。そういうものをお届けできるように頑張ります」
2025年6月 インタビュー(聞き手 サンテレビ 溝渕 晴香)