商店街の暗闇に彼はいました。
石のベンチに横たわる、黒い流線型のボディ。
そう、PS2のコントローラーです。
本体でも、ソフトでもなく、ただ彼一人が放置されていました。
どこかにいるはずの相方(だいたい2個セット?)の影もなく…。
一瞬、自分の親が勝手に棄てた物かと思いました。
見覚えのある巻き方…。
やっぱりどこの家でもケーブルは真ん中で巻くのですね。
何にせよ、彼がなぜ公共の場に置き去りにされなければならなかったのか。
不可解さとともに暮れていく、そんな夕方でした。