20年前、兵庫県神戸市の質店で起きた強盗殺人事件で、無期懲役が確定した受刑者が6月26日、大阪高裁に裁判のやり直しを求める申し立てを行いました。
緒方秀彦受刑者(66)は、2005年、神戸市中央区の質店で男性店主(当時66)を殺害し、現金約1万円を奪ったとして強盗殺人の罪に問われました。
1審の神戸地裁は、目撃から1年10カ月後に出た証言の信用性を疑問視するなどし、「合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡しましたが、2審の大阪高裁はこれを破棄し、無期懲役を言い渡しました。
そして、2011年に、最高裁が上告を退け、翌年に判決が確定しています。
判決の確定から十数年。緒方受刑者は、6月26日、無罪を訴えて大阪高裁に再審請求の申し立てを行いました。
弁護団は、目撃証言の信用性に問題があるとして、当時、緒方受刑者が目撃されたとされる状況を再現し検証した実験結果の他、専門家の意見書を新たな証拠として提出したということです。
緒方受刑者は、「これからも無罪判決が出るまで気を引き締めていきます」と話しているということです。