2010年に神戸市北区で男子高校生を殺害したとして、殺人の罪に問われた当時17歳の男の控訴審で大阪高裁は6月20日、懲役18年とした1審の判決を支持し、弁護側の控訴を棄却しました。
事件当時17歳だった男(32)は2010年10月、神戸市北区の路上で高校2年生だった堤将太さんをナイフで複数回刺し殺害したとして殺人の罪に問われています。
1審の神戸地裁は、男の殺意を認定した他、精神障害はなく完全な刑事責任能力があったと判断して懲役18年の判決を言い渡しましたが、弁護側は判決を不服として控訴していました。
控訴審の判決で大阪高裁の村越一浩裁判長は、「余りにも理不尽な動機による残忍な犯行」とした上で、「被告人の当時の年齢などが犯行に影響したことなどを考慮しても懲役18年に処することが不当に重いとはいえない」などとして1審の判決を支持し、弁護側の控訴を棄却しました。
判決の言い渡し後、父親の堤敏さんが会見を開きました。
【殺害された将太さんの父・敏さん】
「これが最終の決定とは思っていない。上告の可能性もある。とりあえず今日はホッとしようという感じ。将太は僕達と同じで納得はしていないと思う」
【敏さんの代理人・河瀬真弁護士】
「原審の18年という有期懲役の選択は間違っていないと裁判所が明確に言ったので安堵したし正当な判決だと感じた。一方で懲役18年という刑が被害者家族にとって満足がいく刑かというのはまた別の問題」
事件を巡っては、遺族が男と両親に対し、約1億4900万円の損害賠償を求める裁判が続いています。