【神戸ストークス】「日本一のアリーナ、観客の姿に感動した」

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  • ジーライオンアリーナ神戸をバックに 株式会社ストークス 渋谷 順 社長

  • 延長戦を制して勝利したオープニングゲーム /4月5日 ジーライオンアリーナ神戸

  • 1万62人が入場(4月20日) / (c)B.LEAGUE

  • 神戸ストークス 右端が東頭俊典ヘッドコーチ(4月20日) / (c)B.LEAGUE

■渋谷球団社長に聞く(上)

今シーズンのB2神戸ストークスは、念願だった本拠地「ジーライオンアリーナ神戸」GLION ARENA KOBE が4月に神戸港に開業。

ホームゲーム4試合に計3万4861人(平均8715人)が入場し、4月20日の鹿児島戦には、B2の1試合最多入場者数を更新する1万62人が入場した。

一方、成績は25勝35敗(勝率.417)と振るわず、終盤に盛り返したものの、2年連続でプレーオフ進出を逃した。

明と暗に分かれた2024-25シーズンについて、「株式会社ストークス」の渋谷順(しぶや・じゅん)代表取締役社長(61歳)に聞いた。

(浮田信明)

 

■劇的な試合

Q.新アリーナのオープニングゲーム(4月5日 山形戦)に8580人が入場、感慨は–

「いや、その時はもう、事故が起こらないようにということばかり心配していたので。この土日(4/5、4/6)を、安全にやりあげたいという思いの方が支配していました」

Q.終了寸前に追い付き、延長で勝利–

「まずは新アリーナ初めての試合ということで、安全安心なホームゲームということを意識していましたので、いろいろと課題は山積ではありますが、とりあえず大きな事故なく、ここまで尽力いただいた皆さまに勝利をお届けできて良かったですね」

Q.選手は–

「最初は圧倒的に硬かったですね」

Q.新アリーナの門出を飾れた–

「本当に多くの方にご期待いただいて完成した新アリーナですので、感動できる試合で報いることができたと思います」

Q.4月20日には1万62人が入場–

「課題は多く露呈しましたが、B2リーグ最多観客数を更新することができました。アリーナ効果を示すことができて良かったです。多くのご来場でたくさんの課題を確認しています。初めてのことなのでここから改善していくということでしかありません。売店の待ち時間などご迷惑をおかけしたことは大変申し訳なく思っています」

(Bリーグは5月30日、神戸ストークスが「新アリーナのGLION ARENA KOBEで開催したホームゲームで、B2最多となる10,062人の入場者数を記録し、こけら落としの試合で劇的な逆転勝利を収めた」として特別表彰の「ココロ、たぎる。賞」を贈った)

 

■やってよかった

(渋谷氏は、自らが経営するIT企業「株式会社スマートバリュー」(大阪市)と、NTTドコモ・NTT都市開発とで企業コンソーシアムを組み、“民設民営”のジーライオンアリーナ神戸の開業を実現させた。アリーナを運営する「株式会社One Bright KOBE」の社長も務めている)

Q.4試合を終えて–

「音楽の時も、バスケットの時も、アリーナにあれだけの人が集まった。観客の皆さんが盛り上がっていたり、笑顔でお帰りになる姿に感動します。本当にやってよかったなと思いますね」

Q.困難もあった–

「前例のないビジネスで民設民営アリーナとして、何年間もいろんな方々とせめぎ合いながら、ゼネコンさんやデベロッパーさんと一緒に1つの目標に向かってみんな一丸となり取り組んで開業できました。そういう意味では日本一のアリーナになれたと思っています」

 

■甘えは一切排除

(一方でチームは苦しんだ。新任のクルニッチ・ヘッドコーチのもとでB2優勝をめざしたが、9連敗や7連敗を喫するなど大きく負け越し、2月に東頭(とうどう)俊典氏がヘッドコーチに就任。以降は13勝6敗と持ち直し、最後までプレーオフ進出を追求したものの届かず、西地区6位に終わった)

Q.苦しいシーズン–

「僕がこのクラブに関与し始めてから最低の成績でした。自分たちの良い面と悪い面がはっきり見えたシーズンだと思います。Bリーグ全体のレベルが上がり、簡単ではなくなってきた中で、特に今シーズンはベースになる底力が不足し、クラブとしてのマネジメントにも課題があったと考えています」

Q.悪い面とは–

「きれいにまとまっていて良いチームであったと思いますが、反面燃えたぎるような勝利に対する絶対的なメンタリティーとその責任から来るコミュニケーションが不足していたかもしれません。真面目で素直な選手たちはコーチ陣がこうだと言ったら懸命にそれに従おうとする。良いことではありますが、時には勝つために、自分の考えを強く主張したり、感情がぶつかりあうことも必要だったと思います。プロとして勝利への執着がもう少し外向けに突出しても良かったかもしれません」

Q.良い面は–

「終盤で東頭さんが、個人個人に『クリエイトしていいからね』『アタックしていいからね』と、とにかく個々のコミュニケーションを深めてくれた。そこからは試合を見たら歴然としています。(選手の)積極性が全然違った。やっぱり積極的にやれば、一定勝てる力は持っている」

Q.来季、チームに残留するのは、両ベテランの谷直樹・道原紀晃と、金田龍弥、野溝利一の4人だけ–

「このアリーナもできて、多くのステークホルダーがいらっしゃる中で、自分たちが勝てるチームになるしかない。プロフェッショナルとして甘えは一切排除するという姿勢をクラブ全体で示すことだと思っています」

(続く)

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