ヴィクトリーナ姫路 3田中咲希
準決勝・岡山戦(15日、Asueアリーナ大阪) 右端が田中咲希 /撮影:浮田信明
同期の3人 (左から)1貞包里穂(現コーチ)、2櫻井美樹、3田中咲希
■初タイトルめざす
女子バレーボール“日本一”を決める皇后杯全日本バレーボール選手権大会の決勝が12月21日にAsueアリーナ大阪で行われる。
初優勝をめざすSVリーグ・ヴィクトリーナ姫路は、過去9回優勝のSAGA久光スプリングスと対戦する。
ヴィクトリーナ姫路は、皇后杯ファイナルラウンド1回戦(12日 vs札幌山の手高校)、2回戦(13日 vsクインシーズ刈谷)をストレート勝ちし、準々決勝(14日)ではデンソーエアリービーズに逆転勝ち。
準決勝(15日)では岡山シーガルズに完勝した。
優勝すれば、チーム創設9年目で悲願の初タイトル(V2優勝のぞく)を手にする。
決戦を前に、チーム生え抜きで最古参選手の田中咲希(たなか・さき=大阪府四条畷市出身 四条畷学園高-中京大 170cm 28歳)に聞いた。
■大エースがいる
田中は、セッター対角(ライト)として1回戦から準決勝まで全て先発出場し、左腕からキレのあるスパイクを決め続けた。
準決勝では、チャッチュオン・モクシー(タイ代表=21得点)、井上愛里沙(パリ五輪代表=18得点)に次ぐ11得点を挙げた。
——-
Q.準決勝・岡山戦(15日)はストレート勝ち–
「SVリーグでの岡山戦(1勝1敗)は、(自身の)ライトからの攻撃が決まらず、レフトだけに頼って苦しかったが、(皇后杯では)レフト・ミドル含めて全員でしっかり攻撃できた」
「レフトに井上選手と“ビビ”(チャッチュオン)の大エースがいるので、自分も一緒に強気になれる」
Q.サウスポーは有利–
「ライト(のポジション)は左利きの方が打ちやすいのかなって(思う)。左利きにしか打てないコースもある」
Q.入団当初は波があった–
「1年目とか(メンバーを)変えられるくらい悪い状態があったが、スパイクが決まらない日は、レシーブや繋ぎなど他で貢献しようと頭の切り替えができ、だんだんリズムが作れ、スパイクもよくなってきた」
■同期の支えで
田中咲希がルーキーの2019年シーズン、ヴィクトリーナ姫路は念願のV1に昇格。
しかし強豪ぞろいのV1では12位→10位→11位→12位と低迷し、とうとう昨シーズンはV2に降格した。
Q.苦しいシーズンが続いた–
「V2に落ちた時は本当にどうしようかと思ったが、同期の櫻井(美樹=セッター)や、貞包(里穂=現コーチ)と、『もう1回、上に上がるために自分たちが頑張らないといけないね』と話し合った」
「やはり同期の支えが大きかったと思う。うまくいかなかった1年目、ケガをしていた櫻井に相談に乗ってもらった」
Q.皇后杯優勝まであと1勝–
「ずっと支えてくださったスポンサーさんやファンの方々に、やっと恩返しができる場面が来た。ここまで来たので優勝して、しっかり恩返しをしたいと思います」
■今季、久光には2勝
ヴィクトリーナ姫路は、今シーズンからV1に代わるSVリーグに参戦し、ここまで11勝5敗(5位)の成績。
決勝の相手・SAGA久光スプリングスとは10月に2戦し、いずれもフルセットで勝っている。
決勝は21日の午後2時から行われる。
(浮田信明)